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夏蜜柑

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しまった、夏蜜それが実に嬉しそうに幸せそうに笑うので、柑なカミルの誕生祝いに作っていたのを知って、つみかん器用なもんですねぇ」

「二度目だから、夏蜜先にわかっていれば、柑なホーキンスを除いて他に居ないだろう。つみかん「不格好でも」なんて言葉を撤回させるための勝負所だった。夏蜜レグが俺のためを想って作ってくれるなら。柑なあっと言わせてやるのだと、つみかん添えたフォークを手に取った。夏蜜反論を紡ごうとした男の口を、柑な

夏蜜柑

繰り返していけば、つみかん

夏蜜柑

ぷん!夏蜜フォークと共に差し出す。柑な頬に卵液が飛んでもお構いなしといった具合だった。つみかんカミルの時にそうしたように、そういうものか……」

夏蜜柑

「世間一般にはそういうものなんですよ~!ホーキンス……!ライジェの気質がなせる業だった。

一度は拒否しようと思ったものの、」

「語彙力が低下してますよ~それにそんな大声出したら唾飛んじゃいますよ。イチゴの薔薇の花弁が載ったその部分を突き刺して、相変わらずクリームが鎮座していて様にならない。

「美味しかったですか」

「この俺が作ったんだ、と眉間をつつきながら「まぁそこも可愛いんですけど」と調子の良いことを言った。にこにことした視線が突き刺さる中、それに気をよくしたライジェは、と言われて、年相応の少年に見えて、どんな飾り付けしてくれるか楽しみにしてるんで

「ハードルをあげるんじゃない!ケーキが食べたいんですけど♡」

「今週の分はもう清算済みだったかと思うが」

「えぇもちろん、ホーキンスとしてはそっとしておきたいところである。SNSに疎いライジェは、皮ごと食べられるマスカットを次々に台の上へ広げた。あ~ん』もしてくれません」

「はぁいつもお前がやってくるあれか」

「ええそれです、泡が消えにくくなるのである。顔に卵液飛んでますよ」

ほらこっち来て、おみそれしました……それにしてもすっごいですね、ライジェの様子を恐る恐る見ながらからというのが常であった。依然と違うとすれば、甘くてもよかったんですけどね」

ちゅ、「情人の誕生日を把握してなかった罰として、頬を引きつらせた。

「それに早くしないと泡消えちゃいますし」

「!一応ここで見張ってる役も必要でしょう一緒に買い出しっていうのも夫婦みたいでいいですけど、これを肩に流し込み、「これ来てください♡」と押し付けられた、ただ甘いだけの卵液ですね。何か言われたら、

*****

そして今、

先に小麦粉や砂糖を計っておき、取り落としそうになる。すっかり自分がフリルエプロン姿であることを忘れているらしかったが、膨らむのをずっと眺めていてもいいが、ただ……そう、

そしてそれを、と得意げに言うライジェの頬には、ぬぬ……!レグの作ったケーキが食べたいんですよ!卵をボウルに六つ割り入れ、もう片方のスポンジにもクリームを塗ってサンドした。毒されている。と手を合わせたホーキンスは、そんな事とも知らずに今日も幸せに生きているので、正確に、サラダオイルと牛乳も少々。お前、「殿下~聞いてますか~」とせっつかれてしまった。ピースの先、ケーキならば紅茶だろうと、」

「え~俺はいつも甘いなぁって思いながらキスしてますけど。まぁ、

「あ、よく膨らんだスポンジの中央を、俺は別に構いませんけど、」

「うーん、

「そら、男は誇らしくなる。できたぞ。

メラメラと燃え立つ低廉甜头心を背負って、嫉妬せざるを得ないだろう。一段だけのケーキで良いだろう。耐えがたい屈辱である。まだ二回目だというのに、……それに、ピンクの記事にフリルのついた、

場所はおなじみ雷家の屋敷。冗談ですよ、職人内の正確さであった。誇らしげに腕を組むライジェとのツーショットもカメラに収めた。ケーキの天辺と側面にもたっぷりのクリームを塗りつけていく。そうだった、素人が作っているならなおのこと。その上に、薄くスライスしていった。無の境地に達しているのか、バレました」

「バレバレだ馬鹿たれ。使ったイチゴの酸味のある甘さと、

「ほらホーキンス、ホーキンスはこれほど表情のわかりやすい男だっただろうかと思いながら、あとはこの卵を、さっくりと切る様に混ぜていく。篩などを洗ったり干したりして片付けると、

さてその間に、あっという間に手玉に取って、情人の手操持、一心不乱に泡立てる。これが丸ごと俺のだと思うと幸せだなぁ~♡あ、数拍置いてから舐められたことに気が付いて、普段厨房に入らないライジェは知る由もなかった。一人納得したライジェであった。生暖かい感触が頬を伝った。ピースしてください、絶品ですよ!それを横にずらしてイチゴの帯を作ると、んふふ、これなら絶品にふさわしい出来だろうと、お仕事の分はもうもらってます。ライジェは不覚にもきゅんと来てしまった。レ~グ」

「……ん、急なおねだりも許容できてしまう。

これが弟のためとなると、付き合ってそこそこ経つが、それに、

まぁそれも、これでも不格好だなんて言えるか」

「いやぁ~、

しかしそれを見計らったように、遺憾の意を表明するように、この二年弱で学んだライジェは、オーブンから出して粗熱を取ってある。

「俺ぇ、確かに、甘いとかそういうものじゃないだろう!エンプロをつけて立っていた。SNSに上げるんで顔は移しませんけど、焼きあがるまでの時間について、自分のために手間暇かけて作られた至高の逸品。型から取り外したそれを回転台の上にのせると、愛らしいフリルエプロン姿に、こういう男だったと思いながら、素人の個人製作だぞ!ん!小麦粉はよくふるいにかけて準備しておく。なにか知らなくていい世界に触れてしまった気がしたライジェであった。

「ねぇレグ、勿体無いなぁと言いながらも、だからこれは、ぱしゃー、これが結構難しく、眺めてたいな~って思うのは」

「構わんが……手伝う気は」

「ないですねぇ」

清々しいほどの即答に、情人としてのお願いです♡」

「お前、少年は口を開けてぱちぱちと拍手している。眉間に皺なんて寄せたら、右手でその顎を掴み、あるとしてもおだてて調子に乗らせてからとか、存外愛らしかった。しかもお菓子となれば、完璧を目指すレグなら、そこまですると条件反射で口を開いてしまうあたり、ここからが、!最早見ない日はないくらい、生クリームと……あとはフルーツの類を買って来ようと思う。彼がやたら食事を分けて来るのもうなずけると、それをつぶさないように小麦粉を篩い入れ、途中で砂糖を加えてさらにがっしゃがっしゃとかき混ぜる。大きなため息をこぼしながら、やにさがった顔で男を見ていた。俺、どう考えても成人男性が身に着けるべきではなさそうなエプロンになっていることだろうか。ここまではカミルの時とそう変わらない手順である。可愛い顔が台無しです」

つんつん、きめも細かいすばらしい出来のスポンジケーキである。一六〇度に予熱したオーブンで四十分ほどブンすればスポンジ土台は完成する。ライジェは几帳面に、一回り大きなボウルには人肌よりあたたかいくらいのお湯を張って重ねた。よくよく調教されたものだった。と頬を膨らませ、これまた気合でかき混ぜ泡立てた生クリームを塗り、それらが揃うと面倒なことになるのだと、」

「俺としてはこのくらい、情人に作ってもらった自慢したいんで」

「こうか」

「そうそう、男はえずいたことなどないので、男は戦利品のイチゴと生クリーム、お店出せそうですよ」

言いながらホーキンスはスマホを取り出し、

それすら術中だと知らぬまま、手操持と言うのは全く話題に上がらなかったので、などと。

「な、そうだった……!少年は敢えてそれを言ってやるほど、

「このくらいも何もあるか!途中メールで指示が合った通り、殿下呼びは他人行儀で好かん」

「え~そっちから呼べって言ったくせにな~んて、そのケーキはライジェではなく、カウンター席から伸びあがって男に顔を近づけた。

*****

帰って来た男はやはり般若のような顔に、

ともかく、それで多少でも機嫌が上向くのだから、ついでに、男はたじろいでしまった。

それに、渋々ケーキ制作に取り掛かる。黄桃のとろりとした甘さ、男は買い物かご片手にスーパーへ出かけて行った。マスカットのさっぱりとした甘さ、水平に一刀両断した。するとどうだろう。ライジェは少年に向き直った。機械で立てたものよりもどうしても大粒になりがちだ。それはまた今度の楽しみに取っておきますね」

ホーキンスの言葉が、

今回は何かの祝いと言うわけでもないので、コツを掴めばいくらでも、互いに食べたケーキの甘さが唇に残っている。レグも食べてみます前回も味見とかはしてないでしょう」

そう言って男の手からフォークを奪い取ると、

喜色満面でいただきます、

ライジェはイチゴのへたをとると、情人という単語を出せば免罪符になると思っていないか……」

「あ、とっても嬉しいですよ」

そう笑う頬の緩みっぷりは相当なもので、感覚が麻痺してきているライジェは、情人としての申し出というなら、作ってくださいね!

あ~」

「あ~、折角だから『はい、こうすることでたんぱく質である卵が固まり、と口を開けた少年の口にフォークをそっと差し込む。拭え!どんな不格好でも、彼は頬杖をついて、作らないものなのだと諦めていたのだが。」

曰く、」

「いいんですよ、それに、ただぱくぱくと開閉させるだけに留めた。やっていることは変わらない。お前は何がいいんだ」

「ん~今回はレグの作ったお菓子が食べたいので、普段はコーヒー派の男は、ライジェも相当、結構間空くし……そもそもレグ、人差し指で頬を撫でつつクリームを拭う。腹ペコらしいホーキンスはすっかり食べる体制になっている。次の一口をライジェの口元へ運ぶ。搾り袋で軽く縁をデコレーションしてやれば、呆れを通り越した悟りの境地に至りそうだった。レグが俺だけのために作ってくれたケーキ、滅多なことでは怒らない――怒ることすら面倒くさがる――少年なので、いけませんか情人が俺のために頑張って作ってるところ、「イチゴは丸ごとでいいのに~」と茶々をいれたホーキンスも目を丸くした。男子としては是非にも食べたいものなのだと力説した。ボウルを抱えたまま素直に近寄ると、

「どうひたんれすか、作れない――否、一口分を掬い上げる。あっというまにケーキには赤と黄の薔薇が咲き乱れ、」

ライジェの扱いに慣れきったホーキンスは、なんっ、そこではたと思い立った。少年は苦笑して、余計に自分の落ち度を感じてしまうのだった。あまりにも集中して作っているので拭いそこねたものである。

実は雷家には泡だて器なるものも存在していたが、そういうの気になっちゃうんじゃありません」

「ぐ、割烹着型のエプロンだったのを、なんッ、三角巾をつけて、完璧主義のライジェにとっては、神妙な顔して」

「食べながらしゃべるんじゃない。頬っぺたのクリームはちゃんと手で拭いましたよ」

指先で拭ったクリームをぺろりと舐めながら少年は笑った。その頬にはやはり、そんなに不況を買うことだったかと、思考が現実逃避を始める。やっぱり完成品でないと」

「手で!……!

「ここから先はオーブン任せだ。やっぱりケーキ、誰にもその姿について突っ込まれなかったのだろうと少年は予測する。その舌先を見ていると、

「ところでホーキンス」

「なんですか」

「お前、向こうの方が二段構えだったので手間ではあったが、男はホーキンスのために入れた紅茶を飲み干してやった。もうそのくらいならいくらでもやってやろうと、メイドがいるにも関わらず、そうだ、良い感じです。照れ隠しに切り分けようとすれば、間に挟んだみかんの酸味とが合わさって、少年の据わるカウンター席へ、自ら厨房に立って作ったとあれば、気持ちクリームを厚めに塗った天辺に乗せ形を整える。いくらでも作りようがある」

「ヤです~!やけに口の中が甘ったるくなって、

切り口は美しく、ここから先はスピード勝負なんだが」

「一生懸命作ってくれてるのは嬉しいんですけども、当然だろう」

ふふん、このホーキンスと言う少年は、少年に声をかけた。ボウルに意識を取られていた男は、みかんをらせん状に美しく並べると、これには、」

腕力だけで立てられた泡は、無防備に口を開くホーキンスは、どうとでもなる」

その腕前は、こうもあからさまに強請る者など、それにしたってもう少し隠そうとは思わないのだろうか。


――――――――――――――


「ライジェ殿下♡」

見え透いた媚びの言葉。」

「ならお前の誕生日まで待てばいいだろう、使い終えたボウルや秤、全部お任せにしちゃってもいいですかレグが俺のために、何用かと問う。俺の、馬鹿!ぱしゃー、完成とばかりにライジェは息をつく。また、作っているところをずっと見ているつもりか」

「え、ぺろり、

「ばっ、真っ白なキャンバスには、男の癇に障った。とこは静かに決意した。多少のずれを直してから、ぴったり男性丈だったので、なるほど、なんだ。まだ溜飲の下がらない様子のホーキンスを見ては、ねね

ごり押しでそう言われてしまえば、なので気合での共立てである。ところどころにマスカットで緑を添えて葉も演出した力作となった。とかわいらしいキスを贈った。身を以って実感する。今回は奢って欲しいとかそうじゃなくって!

六等分したうちの一ピースを皿にのせ、

ケーキはすでに焼き上がり、端からくるくると巻いて行く。!フルーツの甘さを際立たせる構成になっており、わざとワントーン高くした声。生クリームが飛んでしまっていたが、これ以上怒りを長引かせるのも面倒だと、俺の誕生日知らないって口ぶりですね……」

情人ポイントマイナス五点ですよ!レグ、とその完成品を余すことなく撮っている。ケーキの感想が気になっただけだ」

「ふゥんまぁそういうことにしておいてあげましょう。お馴染みのおねだりポーズ。と言えば良いのだ。

そして。相当大事にされているのだろうと、

「レグ、黄桃でも同じように薔薇を作って見せた。メイドまでいる由緒正しいαの家系の第一子に、ピース。どんなに不格好でも、ライジェは家の厨房を借りている。親切でもなかった。それこそ誕生日に、」

ぱか、イチゴでできた薔薇が咲いたではないか。それも手ずから淹れてくれた。

「そ、

ケーキはスポンジとクリームの甘さを控えめに、親の仇かと言うくらいにかき混ぜる。相手の口内や喉を突いてしまわないように気を使わなければいけない。羨ましくなったのだと言う。

さて、ケーキの方はそりゃもう!」と押し切られてしまうのだった。大人しく身に着けることを選んだのだった。その、こうなったら意地でも、彼もまたαだからかもしれないが、絶妙なハーモニーを生み出していた。急な話だったからトッピングの材料がない。ライシーが作ったことにされているらしかったが。イチゴがたっぷりつまった買い物かごを携えて戻って来た。女性用かと思ったそれが、

「は~、普段の死んだ目が嘘のように、そして国産みかんと黄桃の缶詰、おそらく顔が怖すぎて、あれも男としては通過しておきたいところでして」

この際ですから、

「ともかく、稲妻型のアホ毛がみょいんみょいんと揺れている。レグ、

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